2015年の最高傑作! 藤井太洋 著 「ビッグデータコネクト」は、ITに関わるすべての人に送る鎮魂歌だ。
IT識者が大絶賛!衝撃の警察&ハッカー小説!
ついにこういう世界を描く小説が現れました。
iPhoneで通勤時間に書いたと言われる新時代のSF小説「Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)
」の著者、藤井太洋さんがやってくれました!
@yomoyomo さんやいしたにまさき さん、楠正憲さん( @mkusunok )もITに関わる人は全員読むべきと絶賛の嵐である。
ビッグデータ時代の犯罪とセキュリティを考えるのに有益な四冊 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
藤井太洋「ビックデータ・コネクト」は、2015年のベスト本であり、ITにかかわるすべての日本人が読むべき本である:[mi]みたいもん!
いしたにまさき ...
個人情報のディストピア小説を 政府マイナンバー担当者が読んでみた 『ビッグデータ・コネクト』 (藤井太洋 著)|新刊を読む|本の話WEB
2015年だからこそ、絶対にオススメするこれだけの理由!(ネタバレ注意)
ネタバレしたくないのであらすじなどはAmazonとかでご確認ください。
この小説はゼロ年代以降に発生したIT事件、事故、犯罪のありとあらゆるエッセンスが散りばめられています。
ざっと思いつくだけでも
・ACCS事件
・遠隔操作ウイルス事件
・TSUTAYA武雄市図書館
・顔認証万引き防止システム
・ベネッセ個人情報流出事件
・住民基本台帳、マイナンバー導入
そしてハッカーであり、冤罪被害者である主人公「武岱 修」や元エンジニアからサイバー捜査官になった警官、万田や小山から語られる言葉が心をえぐります。
ソフトウェア開発において、開発エンジニアは「IT土方」と称されるます。
そんな環境で仕事をしたことのある人ならわかる、諦めとも捨てきれない願いともとれる心情を吐露する場面は
IT業界で働く人たちがおもわず泣けてしまいます。
これは長年ソフトウェア開発の現場で働いてきた作者のなんともやりきれない心情ともいえるのかもしれませんね。
「よく見とくといいよ」
揺れた車をいなす綿貫へ武岱が投げた言葉は軋むタイヤの音にかすれてしまったが、近くで聞いていた耳ははっきりとその言葉を捉えていた。
エンジニアの地獄だ。
「ああ。ITの請負やってるんだ。ただ組むだけのつまらん仕事は中国にぶん投げてる」
「再委託は禁止されていないのですか?」
「おれへの発注自体が偽装請負みたいなもんだからな。
一度なんか大クライアントから数えると十二次請けで仕事が降ってきた。その先が一つ二つ増えたって変わらないさ。」
ごめんなさい。ちょっと嫌なことを思い出してました。
開発系の業務って成果が見えにくいんで〝君はもういらない〟って言われるのがとにかく怖いんですよ。
それでつい働きすぎてしまう」
プロジェクトに、根本的に人か時間か、その両方が足りなかったんだ。
ただ、それを月岡は言い出せなかった。
言えば管理能力がないと見なされる。
それでもなんとか前に進めるために、外注に任せるべき仕事をプロジェクトに、根本的に人か時間か、その両方が足りなかったんだ。
「なんで、助けを求めなかった」
「多分──」
武岱は、問いが自分に向けられていることに気づいたのか、口をつぐんでこちらを向いた。
それから、ゆっくりと言葉を押し出した。
「要らない、と言われたくないから、だろうな」
うーん、ここまで極まった”エンジニアの地獄”というものが本当に存在するのか、
それは読者のみなさんのご想像におまかせします。
しかし、この小説がスゴイのは今までの映画・小説のフィクションに登場するハッカー像とは一線を画する『血の通った』人間であることです。
全知全能の存在のようなハッカーが映画みたいにバーゲンセールのように現れるわけなく、地道な技術の積み重ねて世界は作られています。